100冊

38『I LOVE YOU』

『I love you』 伊坂幸太郎ほか 祥伝社 ¥1,600 ISBN4-396-63251-7 面白かったー。方々で「百瀬、こっちを向いて」が良いって声を聞いていたから最後までとっておいたけど、その価値はあったと思う。頭ん中、冬目景の絵でキャラが動いてた人って読者の中に3…

37『目玉』

『目玉 (新潮文庫)』(書影なし) 吉行淳之介 新潮社 ¥362 ISBN4-10-114316-1 作者自身の経験を下地にしていることは間違いないし、かなりの部分が事実なんだろうなと思わせるエピソード満載なのに、主人公=作者と頭から決めてかかるのも何だかなあという…

36『ダウン・ツ・ヘヴン』

『ダウン・ツ・ヘヴン―Down to Heaven』 森博嗣 中央公論新社 ¥1,800 ISBN4-12-003644-8 バイト先で平積みになっているのを見て即買い。昨日発売だったのね……週1日勤務じゃ以前にも増して新刊情報に疎くなっていくなあ。アー。以下ネタバレというほどではな…

35『焔の中』

『焔の中 (中公文庫 よ 17-2)』(書影なし) 吉行淳之介 中央公論新社 ¥296 ISBN4-12-200114-5 地元の図書館で借りた。「戦中少数派の発言」と併せて読むと尚の事面白い。

34『夏至祭』

『夏至祭 (長野まゆみEarly Works―少年万華鏡)』 長野まゆみ 河出書房新社 ¥1,400 黒蜜糖かわいい……。やはりこれも、過去に読もうとして読了に至らなかった作品だった。なのでカウント。宮沢賢治みたいだなーという感想をぼんやり抱いた。人の子が動物の世…

33『夏期休暇』

『夏期休暇 (長野まゆみEarly Works少年万華鏡)』 長野まゆみ 河出書房新社 ¥1,400 ISBN4-309-62104-X 以前読んだことがあるような気がする……でも結末まで読んでいなかったはずなのでカウント。一言いわせてもらうとね、千波矢のばかあ! あんたが全ての元…

32『ナチュラル』

『ナチュラル』(書影なし) 谷村志穂 幻冬社 ¥1,300 ISBN4-87728-011-1 あとがきの本の数行の文章がこの小説が何であったかを物語っていると思う。肯定的に見ることも否定的に見ることもできるけれど、今の時点では後者なのかなあ。足元に冷たい世界が広が…

31『かんがえる人』

『かんがえる人 (光文社文庫)』(書影なし) 原田宗典 光文社 ¥485 ISBN4-334-72379-9 原田さんのエッセイが好きです。もともとエッセイというジャンルに属する文章をあまり読まないのだけれど、原田さんの新刊が出たと知ると、ついつい買ってしまう。氏の…

29, 30『猫の地球儀 焔の章』『猫の地球儀 幽の章』

『猫の地球儀 焔の章 (電撃文庫)』 秋山瑞人 メディアワークス ¥510 ISBN4-8402-1388-7 『猫の地球儀〈その2〉幽の章 (電撃文庫)』 秋山瑞人 メディアワークス ¥530 ISBN4-8402-1487-5 この人の作風なのか、この作品に限っての話なのか、まず結果をばん!…

28『星々の舟』

『星々の舟 Voyage Through Stars』 村山由佳 文芸春秋 ¥1,600 ISBN4-16-321650-2 感想は今回は無しで。

27『助教授ルリ子の恋』

『助教授ルリ子の恋』 谷村志穂 集英社 ¥1,500 ISBN4-08-77433-6 谷村志穂の描く女性像には(少なくともこの作品では)私には到達できそうにない爽やかさがあって良いと思った。決して強いわけではないが、ただ守ってもらうだけの女ではない。自分を追い詰…

26『サマー・キャンプ』

『サマー・キャンプ』 長野まゆみ 文藝春秋 ¥1,048 ISBN4-16-318970-X 久々に読んだ長野作品。相変わらず、この人の文章には真夏のむっと濃い大気が詰まっているなと思う。容赦なく地面を焦がす太陽が髪の毛を焼くあの感じ。染色体異常だとかABITAS-C1(こ…

25『レッスンズ』

『レッスンズ』 谷村志穂 講談社 ¥1,600 ISBN4-06-211044-X 残虐性と同時に崇高な愛を持つ、人間という生き物。愛を欲しがる子供を描いた小説は物語として読むには生々しくて、かといって自分の人生に引き寄せて読めるかというとそうではなくて何となく敬遠…

24『愛に生きて ―智恵子と光太郎―』

『愛に生きて―智恵子と光太郎』(書影なし) 伊藤昭 歴史春秋社 ¥1,360 ISBN4-89757-332-7 「レモン哀歌」について皆の前で喋ることになりまして、それなら光太郎と智恵子のことについて、中学校や高校で習った以上のことを知りたいよねってんで読みました…

23『私の文学放浪』

『私の文学放浪 (講談社文芸文庫)』 吉行淳之介 講談社 ¥1,200 ISBN4-06-198358-X 授業で扱うからってカウントしないなんてことはないのです。わー。タイトルどおり、著者の“文学放浪”についての作。文学というものとの出会いや、父エイスケについて、作家…

22『天使の梯子』

『天使の梯子 Angel's Ladder』 村山由佳 集英社 ¥1,400 ISBN4-08-781319-3 『ナラタージュ』と併せて大ダメージをくらいました。あー。ぼろぼろ。

21『ナラタージュ』

『ナラタージュ』 島本理生 角川書店 ¥1,400 ISBN4-04-873590-X ナラタージュ:登場人物が過去を語る、乃至は回想することによる表現手法。ナレーションとモンタージュからきているそうです(goo辞書による) 苛烈な恋というよりも、駄目になることが半ば分…

20『strawberry shortcakes』

『Strawberry shortcakes (フィールコミックスGOLD)』 魚喃キリコ 祥伝社 ¥1,300 ISBN4-396-76292-5 漫画の登場人物には共感するまいと思っていたのに! さて問題。誰に共感したのでしょうか。共感したけどあんな手段私にはとれない。あんなことは聞けない…

19『死の棘』

『死の棘 (新潮文庫)』 島尾敏雄 新潮社 ¥820 ISBN4-10-116403-7 夫の不貞を知った妻がずぶずぶと狂気にはまってゆく様を、夫というか島尾の視点から描いた小説。ミホの精神が日を追うごとに不安定さを増してゆく様子、いつ妻の発作が起こるのか分からない…

18『オイディプス王』

『オイディプス王 (岩波文庫)』 ソポクレス 岩波書店 ¥301 ISBN4-00-321052-2 この間NHKで放送していた蜷川幸雄演出の舞台をきっかけに、読んでみようかなという気になりました。30日のスロカのライヴ前、下北沢の古書店にて¥200で購入。終盤に向けてゆっ…

17『個人的な体験』

『個人的な体験 (新潮文庫 お 9-10)』 大江健三郎 新潮社 ¥476 ISBN4-10-112610-0 夕食後一気に読みました。恥ずかしながら初大江。文体と、夕立直前の雲みたいな重い雰囲気にあてられて相当消耗しました。後書きで氏も書いていたように、アスタリスク以降…

16『ふしぎな図書館』

『ふしぎな図書館』 村上春樹 講談社 ¥1429 ISBN4-06-212739-3 こないだ福岡行く直前に羽田で買いました。読み終えたのは一昨日。想像していたよりも怖い、というか悪い夢のような話だなあというのが第一印象。つかみ所が無くてふわふわした、後味の悪い夢…

15『パイドロス』

『パイドロス (岩波文庫)』 プラトン 岩波書店 ¥560 ISBN4-00-336015-X やーっと読んだー。買ってから何ヶ月経っているのやら。哲学についての知識が限りなくゼロに近いので註も引かずに読んでしまいました。恋についての件がすごく分かりやすかったのです…

14『約束』

『約束』 石田衣良 角川書店 ¥1400 ISBN4-04-873549-7 “バック・トゥ・ライフ”という言葉がキイらしい。喪失から人が再び立ち上がる過程を描いた短編集。そして私はあまりこの本を好きにはなれなかった。何故か。多分、読み進めていて“喪失”を感じ取れなか…

13『ハードボイルド/ハードラック』

『ハードボイルド/ハードラッグ 吉本ばなな』 吉本ばなな ロッキング・オン ¥1000 ISBN4-947599-57-7 表紙デザインがすごく良いと思う。吉本ばなな作品を読んでいると、生きているという事実の眩しさと死に対する自分の感情について考えずにはいられない。…

12『とかげ』

『とかげ (新潮文庫)』 吉本ばなな 新潮社 ¥362 ISBN4-10-135912-1 表題作と「新婚さん」が特に気に入っている。2篇ともラストが良い。「とかげ」で語られている神様が、いてくれたらいいのにと思わずにはいられない。世の中に起こる不幸に限界があって、…

11『TUGUMI(つぐみ)』

『TUGUMI(つぐみ) (中公文庫)』 吉本ばなな 中央公論社 ¥420 ISBN4-12-201883-8 夏の夜闇の深さ、夜明けの青白さが頭の中一杯に広がって苦しくなった。繰り返しているように見える毎日でも小さな事件は何かしら起きていて、ただそれは夏の暑さに塗りつぶさ…

9,10『クビキリサイクル』『クビシメロマンチスト』

『クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)』 西尾維新 講談社 ¥980 ISBN4-06-182233-0 『クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識 (講談社ノベルス)』 西尾維新 講談社 ¥980 ISBN4-06-182250-0 こういった類の話は、読めはするものの…

8『妊娠カレンダー』

『妊娠カレンダー (文春文庫)』(書影なし) 小川洋子 文藝春秋 ¥400 ISBN4-16-755701-0 ある日、姉が妊娠した。ひどいつわりを経て、確実に育ってゆく姉の中の生命体。私は不安定な姉の言動に付き合いながら、妊娠、生まれてくるであろう新しい命について…

7『春、バーニーズで』

『春、バーニーズで』(書影なし) 吉田修一 文藝春秋 ¥1143 ISBN4-16-323480-2 筒井という男を主人公にした4編と、それらとは全く別の1編から成る。 『パークライフ』で「???」という印象を抱き、『最後の息子』で「もしかして好みかもしれない」と思…