11『TUGUMI(つぐみ)』

TUGUMI(つぐみ) (中公文庫)
TUGUMI(つぐみ) (中公文庫)』 吉本ばなな 中央公論社 ¥420 ISBN4-12-201883-8
夏の夜闇の深さ、夜明けの青白さが頭の中一杯に広がって苦しくなった。繰り返しているように見える毎日でも小さな事件は何かしら起きていて、ただそれは夏の暑さに塗りつぶされて一色に見える、て言えばいいのか。なんとやら。帯の「二度と帰らない/少女たちの/輝かしい季節」という文句よりも、あとがきで作者が書いている“何もなさ、夕暮れを繰り返すだけの日々の感じ”の方がすっと入ってきた。映画も見たい。