23『私の文学放浪』

私の文学放浪 (講談社文芸文庫)
私の文学放浪 (講談社文芸文庫)』 吉行淳之介 講談社 ¥1,200 ISBN4-06-198358-X
授業で扱うからってカウントしないなんてことはないのです。わー。タイトルどおり、著者の“文学放浪”についての作。文学というものとの出会いや、父エイスケについて、作家たちとの交遊録や同人雑誌を作っていた頃の話などを回想するかたちで書かれている。資料というか読物としてまず面白いのでするする読んでいってしまった。エッセイの名手たる所以を垣間見たような。吉行淳之介については初心者もいいところの私ですけれども、彼の著作に対してかなり興味を持ちましたよ。諸作読み始める前に本作を読んだことで、吉行淳之介=女、不倫、酒、というイメージだけで見るのは何か違うなってことに気付いたというか。『焔の中』が読みたくなりました。
文芸文庫高い!