21『ナラタージュ』

ナラタージュ
ナラタージュ』 島本理生 角川書店 ¥1,400 ISBN4-04-873590-X
ナラタージュ:登場人物が過去を語る、乃至は回想することによる表現手法。ナレーションとモンタージュからきているそうです(goo辞書による)
苛烈な恋というよりも、駄目になることが半ば分かっていながらもすっぱり断ち切ることのできない主人公の弱さが目につく。そこに惹かれるんだろうけれど。でも読んでいて辛い。二十歳の恋、か。こんな形で心に刻み付けられる恋よりも、いっそ忘れられたらいいのになんて思ってしまう。否応無しに自分の現状と重ねてしまうのは著者と年代が近い影響なのか。好きだけど、読むと色々傷つく。


特に後半の展開は、描いている事柄そのものに対して拒否反応を示してしまう類のもので、余計に辛かった。自分で引き寄せてるつもりはないんだけど、最近よく引き当ててる。