7『春、バーニーズで』

春、バーニーズで』(書影なし) 吉田修一 文藝春秋 ¥1143 ISBN4-16-323480-2
筒井という男を主人公にした4編と、それらとは全く別の1編から成る。
パークライフ』で「???」という印象を抱き、『最後の息子』で「もしかして好みかもしれない」と思い、そしてこの『春、バーニーズで』を読んで吉田修一に対する評価が180度反転。都市小説に苦手意識を持っていたんですが、払拭された感じ。時たま京王線ユーザーなので、車内の描写にちょっとニヤリとしてみたり。表題作が一番好きですが、それは筒井の話に限定するならということ。一冊の中で選ぶなら、最後の「楽園」という話が良い。“もう一つの時間”については二つの仮説が立てられると思う(少々乱暴な解釈だけど)。どちらにしろ物悲しいラスト。
レシートの日付を見たら去年の11月25日でした。3ヶ月経ってようやく読めた。ていうか100冊読めるのかなこのペースで。む、無理……!