31『かんがえる人』

かんがえる人 (光文社文庫)』(書影なし) 原田宗典 光文社 ¥485 ISBN4-334-72379-9
原田さんのエッセイが好きです。もともとエッセイというジャンルに属する文章をあまり読まないのだけれど、原田さんの新刊が出たと知ると、ついつい買ってしまう。氏の文章の中に見え隠れする少年性にくすりと笑わされる、それが好ましいと感じるからなのかもしれない。男の子の好奇心、男子中学生の妄想、お父さん・オジサンの悲哀、みたいなものがにじみ出てるのも何だかおかしい。そのくせこの人は小説になるとがらっと表情を変える。その二面性にも惹かれているんだろうなあ。子供と一緒にお風呂に入ったときの“毛”についての出来事には大変笑いました。
小説でのお勧めは『海の短篇集 (角川文庫)』と『十七歳だった! (集英社文庫)』です。