外を歩いていたら目の前をぶち猫が横切った。決して可愛いとは言い難い(というかむしろぶさいく)顔立ちの猫が、乗用車の下に潜り込む時の背中が“くにゃん”となるところをまじまじと見て、「猫になりたいなあ」という気持ちがむくむく膨らんでいった。猫になりたい。いるだけで誰にも迷惑かけないし、愛想よくしてたら頭撫でてもらえるかもしれないし、鍋に入ればキュン死するひと続出らしいし。ああ猫になりたい。裏を返せばそれは人間やめたいということなのだ。
好きな人にそんな話をしたら、給食室の鍋に入るといいと言われた。それは何か違う。