Lantern Parade『ランタンパレードの激情』

ランタンパレードの激情

ランタンパレードの激情

本当に悲惨な状況に陥れば  今の状態がとても幸せだったと思えるだろう
#1「ランタンパレードの激情」より

Rose Recordsさんの迅速な発送のおかげで注文した翌日に届いたLantern Paradeのミニアルバムです。試聴した段階で聴く人の心にザクザク切り込んできてんなあっていう印象を持っていましたが、通しで聴いて確かにこれは『激情』と題するに相応しい1枚であるとの認識を新たにしました。刃先は鈍るどころか鋭さを増しています。
1枚目は歌モノが多めだったのが2枚目にきてポエトリーリーディングと半々になり、今作でついに比率が逆転したように思います。また前作、前々作(タイトルは共に『Lantern Parade』)とリリースを重ねるにしたがって一曲の尺が短くなってます。多分平均2分半とかそのくらいのはず。短いトラックの中で訥々と、或いは苛立ちを込めて呟かれる詩。決して優しさなどではない静かな怒り、絶望、諦観。胸に刺さらないはずがない。
詩は勿論のことトラックも素敵です。ファンクに始まり、エレクトリック・ピアノの踊るような旋律、夜の街に遠く響くようなサックスの音色。一曲一曲が短いからこそ、音の絡み合いが鮮烈な印象をもたらしているんじゃないかしら。なんて思ったり。ライヴやらないかなあって常々思っているんですが、本人曰くライヴでやりたいと思う曲が今のところ無いとのことで。甲州街道を生で聴けたらなあ。