存在しない筈の上階で大男が闊歩している、ような雷がさっきからひっきりなしに鳴っている。光ってから数秒、音速は大体毎秒300メートルとちょっとだからええと、と距離を計算している間も空はぺかぺか不気味に光っている。虹の根っこがどうなっているのか想像つかないのと同じように、雷の光と音が一緒に炸裂する場所のことを思っても漠然としすぎていて上手くいかない。ここまで打っている間に雷は止んでしまった。