大岡昇平『野火』

野火 (新潮文庫)

野火 (新潮文庫)

再読。卒業以来久々に手に取ったこの小説の端々に、憶えのある感覚が見え隠れしていることに気付いてしまったのです。ごく個人的なことだから詳らかにはしませんがとにかく当時の私は半分も理解していなかったということを知りました。すっかり中てられて、今日は一日使い物になりませんでした。あのような体験の前に、安穏の中にいる人間はまったく太刀打ちできない。