72『西條八十詩集』

書影なし
西條八十詩集』 西條嫩子 角川書店 ¥260 ISBNなし

下北沢の古本屋で150円。昭和55年第八版だって。八十は人の意識の中にのみ存在する夢、希望、苦悩、感覚を詩に表したいと望んでいた、と解説にはあって、「梯子」という詩を読むにつけそれを実感するのでした。特に五連目、

待たるるは
月にそむきて
木犀の花片(はなびら)幽か
埋もれし女(ひと)の跫音(あしおと)

ここがたまらなく美しいと思う。見た目、文字の流れもそうだけど、声に乗せたときのリズムが素敵。